<ブログ>セカンドライフのお金の不安解消~ライフプランの重要性~
2021/11/03
セカンドライフのお金の不安解消~ライフプランの重要性~
ファイナンシャルエスコートIFAの村田です。
今回は、お金の悩みのないセカンドライフを開始するための手段として、ライフプランを作成することの大切さについてお伝えしたいと思います。
日本は世界有数の長寿国として知られています。例えば、60歳男性の平均余命は24.21年、女性は29.46年。仮に65歳で定年退職をした後にも、楽しめる時間はたくさん残っています。
皆様は、第二の人生について、どのような計画をお持ちですか。
(参照サイト)
「令和2年簡易生命表」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life20/dl/life18-02.pdf
誰にでも株式運用をおすすめするわけではありません
セカンドライフの計画についてお聞きすると、「退職金を運用して、老後資金にしよう」というお考えをよく耳にします。しかし、私は、この考え方に、諸手を挙げての賛成はできません。
なぜなら、人によって老後資金の不足額が異なるからです。セカンドライフのための資金が2000万円足りないという方もいれば、100万円不足するだけという方もいます。100万円の不足を補うために、2000万円を株式運用したら、500万円の損失が出て1500万円になってしまうことがあります。私は、証券会社に10年ほど勤めていましたが、そのようなパターンを何度も見てきました。
私は、老後の20年間で100万円しか不足しないという方に、株式運用をおすすめすることはありません。そのような方には、債券などを使い、毎年10万円ずつ増えていくようなプランを考える方が合っています。
本音を言います。私は、皆様にお金の面で失敗してほしくないのです。お金のことなんて考えずに、ご自分の人生の締めくくりを充実した日々にしていただきたいと思っています。
これから始まる退職後の生活を、心豊かに過ごすためには、第二の人生についての具体的な構想を持つことが大切です。まずは、セカンドライフの設計図「ライフプラン」を作りましょう。
年収1500万円でも、老後資金は不足する可能性がある
ご参考までに、私の知人であるAさんのお話をご紹介します。
Aさんは、現在61歳。現役時代は、ある大企業にお勤めで年収は1500万円ほどありました。Aさんには、2歳下の奥様と、30代の男性と女性のお子さんがいらっしゃいます。
お子さんたちは既に独立されていますが、ご結婚はこれからです。Aさんの貯金は約5000万円。65歳までシニア雇用で働いた後は、仕事から離れて悠々自適の生活を送ろうというお考えです。
Aさんのこれまでのご収入や貯金額だけを聞くと、豊かなセカンドライフが迎えられそうな気がします。数年前に話題となった、金融庁の報告書による「老後資金2000万円不足問題」もクリアしているように思えます。
しかし、Aさんのライフプランを作成してみると、老後資金が不足してしまうことが判明しました。もともと年収が1500万円あった方ですから、生活水準が高く、年間支出は680万円です。
これからご結婚される息子さんや娘さんの結婚資金や、数年後には必要となる住宅のリフォーム資金を用意しておくことなどを考えると、今の暮らしぶりを維持しながら、今後20年から30年間生活していくことは難しいということが分かりました。
Aさんの事例は、決して特殊なものではありません。一見すると、十分すぎるくらいの年収と貯金をお持ちの方でも、ライフプランを作成してみると理想通りのセカンドライフを送るには、いくらか足りない……ということが判明する場合があります。
しかし、私は、充実したセカンドライフをお過ごしいただくために、生活の質を下げることはおすすめしたくありません。老後のお金の不安をなくした上で、人生を楽しんでいただきたいと考えています。
満ち足りた第二の人生をスタートするために、今からできる準備とはなんでしょうか? それは、ライフプラン作りです。
高年収で財産をたくさんお持ちの方であってもノープランで老後を迎えるのは危険です。まずは、ご自身の財産をすべて可視化してから、ライフプランを作るべきだと考えています。
参照サイト
「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 『高齢社会における資産形成・管理』」(金融庁)
https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf
現在の資産額を書き出してみる
家中にある貯金通帳、預金通帳を集めて、内容を書き出してみてください。現役時代、転勤が多かった方は、昔の赴任先で作った地方銀行の口座にいくらか残っている可能性もあります。また、紙製の通帳が存在しないオンライン銀行の口座を開いている場合は、その預金額も忘れずに書き出します。
さらに、不動産をお持ちの方は、どのようなタイプの不動産なのか、現在の価値はいくらいなのかを書いていきます。以前、相続で手に入れた物件や、賃貸に出している物件などについても細かく書き出します。証券や保険についても、同様に具体的な内容を記しましょう。
年金想定額もチェック
年金想定額も算出します。国民年金や厚生年金の加入者には、毎年の誕生月に日本年金機構から「ねんきん定期便」(ハガキ)が届きます。このハガキには、年金の加入期間が記されています。老齢年金を受け取るためには、保険料納付期間と免除期間の合計が10年(120月)以上となる必要があります。
年金納付期間が短いと受取老齢年金の額も少なくなります。未加入期間がある場合でも、公的年金受給前なら退職後、国民年金に任意加入すれば、受取年金額を増額可能(諸条件あり)。また、繰り下げ受給を行えば、最大で42%年金を増額できます。
参照サイト
「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」(日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/service/nenkinkiroku/torikumi/teikibin/20150331-05.html
「任意加入制度」(日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140627-03.html
「老齢基礎年金の繰下げ受給」(日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kuriage-kurisage/20140421-06.html
「老齢厚生年金の繰下げ受給」(日本年金機構)
https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kuriage-kurisage/20140421-05.html
セカンドライフに必要となるお金について考える
現在の資産額がおおよそ把握できたところで、次は、これからの生活で必要となるお金について考えていきます。
生活費、家族(両親や息子、娘など)への援助、ローンの支払いが残っている場合は、その額、将来的に必要となる自動車の買い替え費用、住宅のリフォーム代、旅行代などを細かく書いてみます。
参考までに、お伝えすると、お子さんの結婚資金援助の平均額は192.4万円。2人のお子さんに平均的な結婚資金援助を行おうとすると、およそ384万円の資金を用意しておかなければなりません。
また、住宅のリフォーム費用の平均額は、戸建てで758.8万円、マンションで720.2万円となっています。
自動車の買い替え費用や旅行費などは、個人差の大きいところ。やはり安全性の高いものを選びたいですね。官民が連携し、普及啓発に取り組んでいる、予防安全機能付きの「セーフティ・サポートカー(通称:サポカー)」なら安心です。
生涯最後の愛車となる可能性がある買い替えですから、自動車に特別なこだわりのある方は、妥協なく本当に好きなクルマを買ってしまうというのもひとつの考え方かもしれませんね。ご自身に合った自動車を購入できる分の予算を想定しておきましょう。
旅行代に関しては、近場の国内旅行であれば数万円の旅費でも楽しめるかもしれませんが、リタイア後の豊富な時間を利用してヨーロッパ圏へ足を延ばし、長期滞在したり、世界一周旅行に出かけたりすると、数百万円以上必要となります。
その他の趣味や、今後のイベントなどの予算額も細かくメモしていきましょう。
参照サイト
「ゼクシィ結婚トレンド調査2020調べ」 首都圏報告書の全国推計値より
https://souken.zexy.net/data/trend2020/XY_MT20_report_06shutoken.pdf
「平成29年度 第15回 住宅リフォーム実例調査 報告書」(一般社団法人住宅リフォーム推進協議会)
https://www.j-reform.com/publish/pdf/jitsurei-H29.pdf
「サポカーのある未来へ」(経済産業省)
https://www.safety-support-car.go.jp/
ライフプラン表を作成してみる
ご自分の資産と、今後必要となるお金について書き出したら、ライフプラン表の作成に入ります。Excelなどで表を作り、以下の4つの内容を記入しましょう。
1:まず「家計の収支確認表」を作成します。表の中に、収入と支出を記入して、家計の状況を確認しましょう。
2:「家計のバランスシート」の資産の欄に預金や株式、住宅(不動産)の現在の市場価格などを記します。その後は、負債の欄に住宅ローンや自動車ローンなどを書いていきます。このあたりで、家計の状況が掴めてきたかと思います。
3:次は「ライフイベント表」にライフイベントを書き入れ、セカンドライフのイメージを具体的に考え、今あるお金と未来の予定について理解しましょう。
4:最後に「家計のキャッシュフロー表」を作りましょう。先に作った「家計の収支確認表」と「ライフイベント表」の数字を記入し、長期的な視点で財政状況について考えます。ここまで行えば、今後どれだけのお金が必要となるのかが明確に把握できます。
現状と未来の家計の状況を理解した上で、今後のお金の増やし方について検討していきましょう。
参照サイト:「便利ツールで家計をチェック」(日本FP協会)
https://www.jafp.or.jp/know/fp/sheet/
ライフプラン表の作成は、プロに任せるのもひとつの手段
ライフプランの作成には、莫大な時間が必要です。正直、自分で作るのは大変ですし、手間のかかる作業となります。
面倒だからといって、ライフプラン表をつくらないままセカンドライフを迎えると、資金不足が判明した時の対処が難しい場合があります。
ライフプラン表をご自分で作成することが難しい時には、プロの手を借りるのもひとつの手段です。
ライフプラン表の作成をプロに任せることには、以下のようなメリットがあります。
1:プロに任せることで、ライフプラン表作成時間が大幅に短縮できる。
自分で作ると大変なライフプラン作りの作業も、専門家にまかせるとスムーズに仕上がります。
2:プロから客観的な視点でアドバイスがもらえるので、目標が明確化し実現率が上がる。
ぼんやりと考えているだけの目標や夢も、プロに相談することで実現可能な計画へと変化していきます。
3:時間経過によるお金の動きがリアルに分かるようになる。
自分でライフプラン表を作成すると、ひとりよがりなものになりがち。しかし、プロにライフプランを作成してもらうことで、自分では思いつかないような選択肢や、もしもの場合の対処法を教えてもらえます。
ライフプランの作成は、ファイナンシャルエスコートにて承っております。お気軽にご相談ください。お金の不安のないセカンドライフを迎えましょう!